効果的な単語の学習法3 〜意図的学習と付随的学習〜
効果的な単語の学習法1、2では、単語の何を覚えるかについて触れました。
今回は、語彙学習の方法について触れていきます!^^
単語の学習には、意図的学習と付随的学習があります。
意図的学習とは、単語を覚えることを1番の目的とした活動で学習することです。
単語帳を使ったり、単語学習アプリを使う学習がこれにあたります。
一方、付随的学習とは、単語を覚えることを主な目的にしないで学習することです。
英字新聞を読んだり、洋画や洋楽を使っての学習が例としてあげられます。
偶然出てきた単語を自然に習得するかたちになります。
単語を効果的に、そして効率的に覚えるためには、この意図的学習と付随的学習の両方を取り入れることが理想です。
意図的学習が好きな人は、あまりいないかもしれませんね。
単調で楽しくないですから(笑)
私は、あまり好きではないです(爆)
それに比べ、付随的学習は英文を読んで・聞いて、内容を楽しみながら学習することができます。
しかも、「単語帳で覚えようとした単語は忘れるが、文脈で推測した方が単語は一発で覚えられた」ということから、単語を覚えるには、文脈から推測して覚えることが効果的で、単語帳などを使った単語学習は重要ではないという声もあるようです。
しかし、とある研究結果によると、どうやらそうではないもよう。
オランダ・フローニンゲン大学のジャン=アリアン・モンドリア博士が行なった研究によると、付随的学習のほうが効率が悪いという結果がでているのです。
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この実験では、38人のオランダ人の高校生が、次の4つの条件でフランス語を学習しました。
1. 文脈から単語の意味を推測する <推測>
2. 推測の後、単語の意味を確認する <推測+確認>
3. 推測と意味確認の後、単語の意味を暗記する <推測+確認+暗記>
4. 単語の意味を暗記するのみ <暗記>
※単語の意味確認と暗記は、単語リストを活用
単語学習の2週間後、テストを行なった時の結果が次のグラフです。
4<暗記>が正答率が高くなりました。
1<推測>と4<暗記>の差が大きいですね^^;
推測だけでは、単語の意味の理解が正確ではないんでしょうね。
とはいえ、意味を確認して正確に理解できても10%くらいの伸び。
そこから覚えようとして暗記することで、正答率が高くなります。
3<推測+確認+暗記>と4<暗記>の点数が同じくらい。
細かく言うなら、4<暗記>の方が少し高いです。
それでは、学習にかけた時間は?
ここで単語学習の効率が比べられますね!
4<暗記>では平均して21.5分、3<推測+確認+暗記>は27.3分です。
1〜4のそれぞれで、1分あたりにどれくらい単語を覚えられたのか、下のグラフで比べてみましょう^^
(事後テストの得点/学習時間)
1分間にどれだけ多くの単語を覚えられるかにおいても、4<暗記>の方が他のどの条件よりも高いです。
このグラフによると、平均して1<推測>で学習を100分行なった場合に覚えられる単語は6語なのに対し(切ない!)、4<暗記>は32語覚えられました。
学習効率が5倍です!
暗記をしたの方が単語学習の効率が良いという結果です。
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とはいえ、意図的学習だけをやれば良いと言うかと、そうでもありません^^
付随的学習では、実際に英文の中で単語がどのように使われているか、どの単語とセットで使われがちかが見ることができます。
そのため、付随的学習は語法や相性の良い単語のセット(イディオム、コロケーション)を覚えられるというメリットがあります。
これは、意図的学習だけでは補いきれない点です^^
また、付随的学習で繰り返し単語に触れることで復習効果があるのと、単語を素早く理解できるようになることが期待できます♪
ちなみに、実際に英作文をしてみると不自然な英文になるのは、付随的学習が不足していたことが原因の1つなのでしょうね。
以上、意図的学習と付随的学習についてでした。
意図的学習で単語の意味を効率的に覚え、
付随的学習で語法やイディオム・コロケーションを知ることで自然な英語を使えるようにしてはいかがでしょうか^^
どちらの学習も、バランスよく使っていきたいですね!
ちなみに、初心者の方は、知っている単語の数が付随的学習を進めるにはまだ十分でないことが考えられるので、最初は意図的学習を重点的に行いましょう^^
次回は、付随的学習をさらに効果的に行うポイントをお伝えします♪
続きはこちら^^
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こちらの投稿は、下記の文献を参考にしました。
感謝申し上げます。
『英単語学習の科学』
著者:中田達也