国産バイリンガル製作所

英語力0から国産バイリンガルになった私が知っている、海外に行かずに英語を話せるようになるためのヒント集

文法は敵なのか

「英語を嫌いになるなら、日本で勉強すべき」

 

 

これは、数年前に私の同僚のフィリピン人講師が言っていたことだ。

「それな〜!」と大きく頷いたのを覚えている。

 

義務教育で英語を6年間学ぶ人が多いことだろう。

それでも悲しきかな、中学校・高校で英語を学んだ後でも、英語を話せない人は結構多い。私もその一人だった。

 

学校では、授業で文法を学び、英文を訳す。単語を並べ替えて英文を作らされたりもする。学校の授業はあまりにも文法に力を入れているように見えた。

もうこれ、言語習得というより、学問だよねっていう。

 

「6年間も英語を勉強したのに話せないじゃないか💢」

と、中には日本の英語教育に腹をたてる人もいる。

文法・訳読中心の日本の英語教育に否定的な英語講師もいる。

 

 

しかし

 

 

いろんな国の人と話して気づくこと。そして聞くこと。

それはというと、

日本人の英語は「文法的には」しっかりしているということ。

きちんと英語の授業を受けていた人であれば、文法的には綺麗な英語を使える。

 

どこの国の人かは分からないか忘れたけど、文法めちゃめちゃで

「何が言いたいの…?」

という英語を見たこともある。

 

この点は、日本で英語を学んだ恩恵だろう。

 

文法ばっかり教えている日本の英語教育が悪い

文法なんて必要ない

 

とちょっと極端に文法を悪者にする人もいるが、文法はその言語のルールを私たちのために紐解いてくれている、いわば言語を操るためのお助けツールであると考えられる。

 

そもそも私たちが英語を理解するプロセスは、

 

目や耳からの知覚→理解

 

の順番に起こる。

この「理解」は、単語はもちろんのこと文法の知識がなければ正確にできない。

 また、話す際には、

 

話すことを決める(概念化)→言語にする(言語化)→発音する(調音)

 

という順番で起こる。

この「言語化」で、相手に伝わる適切な文が頭の中で作られる。

その際に私たちは文法知識を用いています。

 

つまり、文法が分からなければ、きちんと相手の言ったことを理解して自分の言いたいことを伝えることができない、ということになる。

 

では、何故私たちは義務教育を終えて文法を理解していても相手の言っている英語を理解できず、英語を流暢に話せないのか。

 

理由の一つに、文法の処理に認知資源(脳のエネルギー)を使いすぎるというのと、処理スピードが遅いから。

それを克服するためには、文法知識をできるだけ自動化させる必要がある。ようは、あまり考えなくても素速く使える状態にするということ。

 

走り方を考えてみよう。

普段普通に走る時、走る方法について何も考えずに走るのではないだろうか。

それを、「頭はまっすぐに、胸を張って、頭の先からつま先まで芯が通っているイメージで立つ。まっすぐの状態のまま、前に片方の足を出し、後ろ足のかかとを浮かせる。そのままつま先で地面を蹴って、つま先で着地する。最初に地面に着く1歩目の位置に注意!前の足は自分の体よりも後ろに着くイメージで地面に足をつける。」

と考えながら走る人はいなかろう。

何度も走ることで、走る方法を意識しなくとも走れるようになる。

 

義務教育では、文法でそういった反復練習が足りなかっただけ。

なんせ、新しい文法を身につけ、英文を理解することがメインだったから。

ドリルで文法問題を解くだけなんて、足りぬわ。

 

独学の皆さんには、基本文法を素速く、あまり意識せずとも使える状態を目指して反復練習することを強く勧める。

何度も、何度も…

瞬時に理解できる、そして言えるようになるまで。

 

ネイティブと同じレベルとまで行かなくとも、第二言語話者としてそれに近づくために、できるだけ自動化させることはできるという。

その言語を使ってコミュニケーションをとるのに必要なレベルまで持っていけば良いのだ。

 

練習方法は、文法が項目ごとにまとまっており、日本語の文とそれに対する英語の文が、<日本語のページ、英語のページ>

と言った具合で分けて書いてある本なりアプリなどを使って練習することができる。

 

 

英語であれば、『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』という本がオススメです。いろいろシリーズが出ているので、自分にあったものを選ぶと良いだろう。

 

 練習方法としては、

①英文を、意味を取りながら出来るだけ速く音読する。音読には、反復練習の効果がある。ただし、意味をイメージしながら、「こんなこと言ってるのね〜」と理解しながら発話する必要がある。

②日本文を見て、できるだけ速く英語で言う。瞬発的に英語で表現すると同時に流暢性も意識する。 英訳をする、というよりも言いたい内容・イメージをそのまま英語化するよう意識したい。

 

ちなみに私のフランス語学習には、この書籍(『たったの72パターンでこんなに話せるフランス語会話』)を使っています。

これは日本語とフランス語を交互に隠さないといけないからちょっと不便だけれども。

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あと、文法の自動性を高める以外にも、日本語に置き換えて理解してしまう習慣は無くしたい。

英語を日本語を介さずに直接概念で、映像のように理解できるように、文法のもつイメージを知っていると文法理解も楽になります。『一億人の英文法』という面白い書籍もありますので、参考にしてみてください^^

 

文法の自動化に多読・多聴という方法はどうか?と言われそう。

それもありだと思います。

文法の自動化という面では、紹介した方法より時間はかかるだろうが、楽しんで続けられるのであればそちらを採用しても良いでしょう。

 

皆さんには、ぜひ文法を味方につけて、外国語力を身につけてほしいです。

Good luck!